「お客様の視点でものを見る」のと「お客様の視点でものを言う」のは、全然違う。

企業向けのWebアプリケーションばかり仕事で扱っていて、いつも非常に悩まされるのがこの「お客様の視点」です。

のっけから極論を言ってしまえば、本当のお客様の視点なんてお客様と全く同じ立場にならなければ得られません。けど、そこで止まってしまうと先に進まない上、この視点が抜けたままアプリケーションの開発をすると往々にしてあとでひどい目にあうので、やはり考え続けなければならないです。


この「お客様の視点」そのものが、非常に曖昧な点に加えてとても流動的ですので、どうやっても開発者側は受け身にならざる得ない部分っていうのがあります。お客様の立場になって必死になって考えて、必ずこういったソリューションが必要になるであろうと提案をしても本当のお客様自身は全然必要としていなかったり、という事だってあります。そうやって、必死にお客様の立場で考えようとするあまり本当に自分がお客様と同じ立場になったと錯覚してしまう方もいたりして。

でも、どこまでお客様に親身になろうとしても、「お客様の視点でものを見る」のと「お客様の視点でものを言う」のは、当たり前ですけど全然違いますよね。


では、具体的にどのように違うかというと、お客様はどれだけ作るのが大変だろうが望んだものが欲しいと言うし、開発者側はどれだけ作るのが大変だろうが望まれたものを作らなくてはならない、という言わばめちゃくちゃ当たり前な違いだと思います。

お客様はワガママなくらいに要望を出して下さった方が、本当のニーズを探るためのヒントをより多く頂ける訳ですから良い、とも思います。もちろん、仕事としての折り合いをつけられないくらいの要望を頂いてもまた困りますけれど。でも、その要望を実現する側は、出来上がったものが要望通りかどうか、という「品質」という側面と同じくらい「効率」というものも重要視しなくてはならないです。採算度外視で品質を追求させてくれる仕事は、基本的にありません。


「与えられた範囲で可能な限り最善を尽くす」というスタンスで、お客様の抱く(本当の意味での)理想的なソリューションというものを追求するしかないんです。(このへんが、いわゆるアルパ・アジー、じゃなかったαスーツのid:habuakihiroことはぶさんがjava-jaで語った部分かな、と)そこで、やれ「予算が少ない」とか「人材が足らない」とか言っていてもしかたがない、どうしようもないってケースがほとんどなんです。


「じゃあもうダメじゃん、適当にこなしてこうよ」と腐ってしまう人も過去お会いした事もありますが、そういう方は早急に爆発して頂くとして、ここで僕はなんとか工夫をしていきたいな、と考えたいです。というか、工夫をし続けていく事こそがプロとしてお金を頂いている人間の責任かな、と。

工夫の"工"の字はエンジニアリングの"工"

というのが、ここ数年の自分自身のテーマだったりします。(このへんに、僕が「プログラマ」でも「システム・エンジニア」でもなく、「エンジニア」「技術者」でありたいと思う理由もあるです。)


だから、お客様の視点になってお客様の要望を探るのも大事ですが、それをそのまま口にしているだけでは責任を全うできないので、お客様の要望を探るのと同じくらい「要望の実現の為の工夫」を考えなきゃいけない。
「お客様の視点でものを言う」だけじゃ全然足りないんじゃないか、と。

サービスが出来れば何でどう実装しても良いよ

というお客様の声をメンバーに伝えた後、「だからこうしていくべきだと思うんだ」的な話をつなげていけないなら、お客様にソリューションを提供していくプロとしては全然足りてないんじゃないか、と。


java-jaid:habuakihiroid:makotanの話を聞いて、そのあとまた色々と思い悩んでいてこんな事を考えました。


と、偉そうな事を書いてますけど僕が今まで出来てきた事は驚くほど少ないので、なんと言うか、その、ごめんなさいって感じもするんですけれども。(プロジェクトにBTSを導入するべく調整したり、アピールしたり、調べたり、って結局1年くらいかけてしまいましたし><)

しかもなんとなくだらだらと書いてしまった感があるので、後日気が向いてかつ思い出したら清書したいですね、なんだか無駄に長いし。