方式設計まとめ

システム全体をデザインすること、決め方を決める、といった表現をしましたが、もう少し補足します。

  • プロジェクトの文化を創る。

という工程、と言っても良いかも知れません。


設計、開発、試験のやり方を決めるという事は、洗い出したタスクのアウトプットをどう扱うかという価値観の宣言みたいなもので、タスクから出力されたリソースを評価する基準を決める事です。
書かれた設計書が良いものなのか、悪いものなのか、を判定する基準と、悪いものだった場合の対処方法は、プロジェクト上のタスクに非常に大きな影響を与えます。プログラム・ソースや試験仕様書、試験結果報告書などについても同様です。


過去、これら成果物に対する価値観が統一されていない為に、プロジェクトの途中で何度か立ち止まって検討会を行う、という事がありました。その場合、そこには社内標準はありませんでしたが、仮にあったとしても一般的な社内標準が、基本的にどんなものにも対応できるよう抽象化されすぎてしまい現実的な判断をする指標をしっかり隠蔽してしまっているケースが多いので、結果的に代わらなかったかも知れません。


こういった基準に対する齟齬を可能な限り減らしませんと、成果物の品質が安定しないより以前に、プロジェクト遂行上で個人的な意見と価値観が飛び交い、場合によってはののしりあう羽目になります。そういったことを避けるために、この方式設計という工程では、プロジェクト標準という名の文化を創るというミッションがあるのかな、と。