もう一つ思う事。

id:ruzia様さんの僕は技術者になりたいについての続きです。
ちょっと人の記事を元に連載って何かアレな感じがしますけど、こういった形で贈るエールもある、ってことで。。。

最近は、コンサルティングが出来る人やマネジメントが出来る人を求める企業ばかり、と思えます。
でも、実は技術を追い求める人も必要なんですよね。

心底そう思いますし、それを実感することが過去に何度かあったから、自分はid:ruzia様ほど深刻に思いつめたりせずに済んだんだと思います。

  • 要件を正しく分析できなかった為、運用開始直後からシステムに対する改善要望が頻発する。
  • 管理がきちんとできなかった為、発見できるリスクを見過ごしてしまった。
  • 実装技術に無知だった為、その開発言語のセオリーを無視して余計な障害を発生させてしまった。

これらはよくある話だと思います。

こういったことを避けるために、コンサルタントを自負する人はお客様の要求の分析をし、マネージャを自負する人はプロジェクト遂行上のリスクに目を凝らし、エンジニアを自負する人はサービスの提供を具現化させます。キャリア・パスとしてよく例えられるコンサルタント、マネージャ、エンジニアというのは、実はただの職務分掌なんですよね。


これらの職務になぜ上下があって、なぜ貴賎を問われ、なぜ一方が一方を抑圧するようになるのか分かりません。
でも、これらが強調し合わないと開発プロジェクトなんて絶対に成功しませんし、これらを3つ全てを持ち合わせている人は殆どいないと思います。この業界の要は人、と言われるゆえんはここにあると思っています。
自分は強烈にエンジニアを自負したいと思ってますが、たまに広く浅く知っていたいというスタンスを取ったりもします。(会社員の気楽なところです)この3つの役割を役割と捉えるかキャリアと捉えるか、それを自分自身に当てはめるという事は単に特化するかグローバリスト化するか、ただそれだけの違いなんだと思います。


技術はツールです。お客様に提供するサービスを実現する為の、ただのツールです。
ただのツールですが、そのツールについて熟知するには膨大な知識が必要です。その知識が、IT業界全員が義務的に記憶することができるのであれば、技術はツールであってそれを追い求めるなど本末転倒と言われても納得がいきます。でもそうではなく、ツールを使いこなせる為の知識を覚えつつ、それを周囲に啓蒙しつつ、それを周囲から吸収しつつしているのが普通で、極められる頃にはきっとまた新しい技術が生まれていたりします。
そういう意味では、ツールを追求する事もあながち無駄ではありませんし、むしろ追求する手を緩める事はツールとの隔絶を意味します。重要な商売道具を捨ててしまったエンジニアに、いったい何が残るんでしょう。


例えばF1なんかだと、部品の吟味が凄いですよね。当然素材についても、レギュレーションや強度、剛性、色々な視点から検証されて、繰り返しテストされ、それからようやく実戦に投入される車の部品になります。IT業界も同じで、ドライビングやデザインだけでなく、部品の素材についても追求しないといけない場合もあるんですよね。


そう考えると、エンジニアが冷遇されている今のIT業界は、見ていてしみじみと頭を傾げてしまいます。