難しい。。。

1つのプロジェクト内でメンバーがdisりあう、なんてわりとよく見る光景なんですが、これについて「仕方ないよな」と思う自分と「不毛だよな」と思う自分とがいます。


まず、そのチーム全体を見て考えてみます。
お互いがお互いを尊重しあえるようなメンバーが集まったプロジェクトであれば、こんな事態にはならないのは間違いないですが、これは理想的な極論で実現は相当難しいでしょう。
知識や要領なんかが仕事の出来を左右するこの業界の仕事では、他人の無知やうっかりで数人が当初想定していなかった量の仕事をやる羽目になる、なんてよく聞く話です。そうでなくても、人によっては「○さんのこの部分だけはねぇ」なんて感じている事もあったりして100%お互いを尊重しあうのはそもそも難しいのに、実害まで伴えばこれを回避するのは現実的に見て不可能と思った方が良いです。


で、当事者たちはと言いますと、期待値と現実とのギャップに対して、それぞれ憤りを感じdisり始めてしまうようです。先ほど「実害」といったようなものも、そのギャップが何で作られているかは別として、結局は期待値と現実とのギャップですよね。


期待する側を考えてみますと、裏切られたくなければ期待をしなければ良いだけの話なのですが、とは言え一切期待をしないとなると全部自分でやるしかなくなってしまいます。趣味で日曜日にOSSを作ろうぜ、といったものであれば期待を裏切る人間を排除して自分だけで作り上げる、といった選択肢もあるいはアリかも知れませんが、仕事であれば期間もあれば最低限満たすべき要件もあり、現実的にある程度のラインは期待しなきゃいけない。


反面、期待される側は、期待されているものと自分が出している結果とのギャップに心を痛めていたりします。「叩かれて伸びる人」であればこのプレッシャーをバネに大化けする可能性もありますが、そういう人でなければ叩き潰されるか、自分を守る為に更に強い姿勢でdisり返すかしますよね。


また、「期待-裏切り」の構図以外にも「願望-現実」のギャップからdisり合いが始まる場合も、きっとあると思います。例えば、プロジェクト・リーダという役職になりたかったけどなれなかった人がプロジェクト・リーダをdisる、という場合です。

実際は、マネージャやらリーダやら人の上に立つ人たちは、メンバーを評価する権限を持つ以上メンバーから評価される義務も負う訳ですし、それらを踏まえて一般メンバーよりやや大きめな権限も割り当てられている筈なので、そこでdisられっぱなしになるようでは元々マネージャもリーダもやるべき人ではなかった、という事なんでしょう。

ただそうとばかりも言えないのが、dis元の人が持つ「願望」が分不相応という場合です。プロジェクト・リーダなんざできっこないのに、プロジェクト・リーダになりたがった挙句に現職を突き上げてしまうケースで、筋の通った突き上げであればまだしも、見当違いな理由で突き上げられた方はたまったもんじゃないですよね。


こういうことを職場で言うと「時間の無駄」とか「そんな事より手を動かせ」とか言われてしまうのですが、もっとミーティングを増やせば違うのかな、と考えたりします。
今の時代の日本で、少人数であれ価値観の統一を図ろうとしても無理なんで、認識と優先順位とをまずはお互いすり合わせましょうよ。そうするよう心がけていれば、少なくともdisり合いほどヒドイ事態に陥る前に何かしらケアをしていく事ができる気がします。
だから、

  • 技能的なギャップが原因ならば、時間を惜みながらちゃんとトレーニングをしましょう。
  • 願望と現実にギャップがあるなら、その人の役割にも望んでいる役割と同じくらい重要な意義があることを説明してあげましょう。
  • それらが叶わないなら、せめてメンバー全員に平等にdisる機会を与えてあげましょう。(これはさすがに難しいかも)


ちょっと、そんなことを考えました。


※)当然ですが、前提となりそうな事例は全てフィクションです。当たり前です。